チェスター・コパーポットの逆襲

映画、本、ざれごと、好きな事を好きなだけ。

これから、ゾンビの話をしよう。ジョージ・A・ロメロ監督 老舗「ゾンビ」を見て

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 ゾンビ。

とはなんでしょう?

 

エイリアン、人喰いサメ、巨大な虫、幽霊。

恐怖を題材にした作品で描かれる

様々な人類の天敵たち。

 

その中でもゾンビは、

なんだかオンリーワンな存在です。

 

その特徴は、

 

一見、僕らと姿は変わらないんだけど

実は、致命的に何かが壊れていて

意思疎通や、コミュニケーションが

全然取れない。

 

そして、人間からすれば、「これは人間じゃない」と

踏ん切りがつきにくい状態で

いきなり人間に噛みついきて食べてくる。

しかも、食べられた人は、同じくゾンビになってしまう。

 

怪獣、地球外生命体、災害。

それらに人間が感じる恐怖とは違い

ゾンビに対峙した人間は、

恐怖と同時に

「元は、同じ人間なのに・・・」という

切なさの入り交じった絶望を感じるのです。

 

さてさて

皆さんは、そんなゾンビが好きですか?

 

日本では、少しブームは落ち着いた感じは

ありますが

まだまだ、海外ではその人気は衰えず

 

アメリカ制作の

ゾンビ連続ドラマ。

ウォーキング・デッド

 2010年からず~っと放送しているこのドラマも

まだまだ人気みたいで

今月から、シーズン10が始まりました。

 

僕もシーズン1放送当初から

ず~っと、ファンで

ゾンビ達と

一緒にのろのろとウォーキングしていたら

9年も歳を取りました。

 

ここまで大作になると、

言うなれば、「ゾンビ大河ドラマ

 

ニュースによると

今期のNHK大河ドラマ

「いだてん」が

なかなか視聴率が振るわず

苦労しているらしいのですが

 

過去の傾向を見ると、

そもそも大河ドラマ

現代劇は弱い。というデータもあるらしいです。

 

憶測ですが

視聴者は、1年を通して見る

この大きな物語

近現代ではなく

「もう、どこにもない時代の風景を感じたい」

これを求めている気がします。

 

そこで・・・

どうですか?NHKさん。

ゾンビ大河」やりませんか!?

現代とは、すっかり姿を変えてしまった世界で

繰り広げられる。愛、勇気。悲しみの人間群像劇。

 

もちろん、お侍さんを登場させてもいいんです。

源平ゾンビ。戦国ゾンビ。坂の上のゾンビ。

 

 ゾンビに支配された幕末。

坂本竜馬が、幕末志士たちと力を合わせ

ゾンビを人間に戻すワクチンを開発し

そして、僕らが知る明治維新とは全く違う

アナザー明治維新を果たす。 

もちろん、暗殺された竜馬は

超人間としてゾンビウィルスで蘇る。

竜馬がゆく。アポカリプス」とか

他にも、アイデアは腐るほどありますよ。

 

それくらい

抜本的、革新的に、大河ドラマをぶっ壊~す!

・・・大変申し訳ございません。

調子に乗りました。

 

話を戻します。

 

まぁ。兎に角。

ゾンビが、とても怖くて、とても好きなんです。

 

そんな僕が、今回ご紹介したい作品は

 

「ゾンビ」 Dawn of the Dead

 ジョージ・A・ロメロ監督 

  1978年 イタリア制作。 

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元祖ゾンビ。

老舗ゾンビ。

創業以来
つぎ足し、つぎ足し、使っております。
「うちはゾンビしかやらないよ。
気に入らないなら帰っとくれ」

 

そんな、故ジョージ・ロメロ・監督の声が

僕には聞こえます。

 

で、ここからざっとストーリーを

(ちょっと、いやかなり・・・オリジナルな)


小春日和の穏やかな日
突如、謎の宇宙紫外線が地球に降り注いだ。

 

すると死人は甦り
かわいいあの娘を

憧れの先輩を

ムカつく上司を襲いだした。

人類の切り札である「ガッキー」こと

新垣結衣のダンスによって、再三行われた
紫外線対策への注意喚起も空しく
人々は次々と歩く死人と化していった。

 

そんな中

「それでもいいよね~。それでもいいよね~」

を合言葉に、レットイットビー精神を持ち続け

なんだかんだで生き残った一部のパーティは


生きる上で必要なものが
すべて揃っている場所を住処として選んだ。

 

その住処とは

「大型ショッピングモール」

彼、彼女らは

モールにある食糧、武器、洒落た服

ガッキー。綾瀬はる・・・

それら人類最後の栄光を奪う為

「閉店につき在庫一掃セール」と言わんばかりに
モール内に住みついたゾンビをせっせと排除していく。

 

そして、束の間の楽園を手に入れる・・・

 

 最後にもうちょっと、思いなど。

 

ゾンビ作品を含め

ホラーやSF作品で描かれる

異常な未来。

 

いわゆる

ディストピア

 

人々は、実際に起きる事件やテロの

恐怖や不安を、そのディストピアの中に
閉じ込め

そこに見える、困難に立ち向かう

人間の勇気や優しさに、ヒントを感じ

現実世界で生きていく希望

そして、理想郷を夢みているのかものかも知れません。

 

是非、皆様も本作を観て

ゾンビ作品の奥深さ

「たとえ世界が
ガラッと変わってしまっても、
生きることへの困難さは、変わらないのかも・・・。」

なんて事を感じてみて下さいませ。

 

最後まで、読んで頂き誠にありがとうございます。

また、お付き合い下さいませ。