チェスター・コパーポットの逆襲

映画、本、ざれごと、好きな事を好きなだけ。

失意の足跡 ジャック・ケッチャム著「老人と犬 RED」を読んで

大切な家族を失う事は

人生で何よりも辛い経験かも知れません。

 

しかも

その大切な家族を失った理由が

寿命、病気、事故などではなく

「他人にいたずらに、奪われた」

この最悪の理由だった

場合、あなたならどうしますか?

 

今回は、そんな誰もが

一度は、考えた事があるはずの

重い問いがテーマの小説

 

老人と犬 RED

ジャック・ケッチャム著 扶桑社刊

 

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をご紹介。

 

ざっとストーリーを

 

老人ラドロウと老犬REDは、日だまりの中
ゆっくりと川釣りを楽しんでいた。

 

ラドロウは、REDの大好物である
白身の魚を釣り上げるべく
器用に釣り糸をヒョイヒョイと引く。

 

そして、REDは、もう見飽きたはずの
ラドロウのくたびれた手をキョロキョロと
今日も見守る。

 

そう彼らは、最高の家族だった。

 

そこへ、3人の少年が現れた・・・
一人の少年の肩には
真新しいショットガンが掛けられている。

 

少年は、ラドロウに金をよこせと
脅すが、はした金しか持っていないと
判ると
REDの頭を吹き飛ばした・・・

 

少年たちは、おどけて笑いながら
その場を去っていった。

 

妻の形見であり
自らの半身であった
REDを失ったラドロウ

 

REDが好きだった
ラドロウの手は、その体を抱いて
温かい血に染まる。

 

ラドロウは、RED亡骸を埋葬し
少年たちに、裁きを下そうと
行動を開始するが・・・

 

感想。

犬好きの人ごめんなさい・・・

トップブリーダーは絶対推奨しない作品。

愛犬を殺された老人の

失意の足跡。


「人生は、大切なものを手にし
そして、それを奪われる事の繰り返しなのかも知れない・・・」

長い人生。

時にそんな悲しい事を感じる僕らに

本書は、こうささやく。


「それでも、あなたが、大切なものに
また出逢いたいと思えるように
祈りのような言葉を繰り返して」

 

是非、皆さんも

本書のささやき聴いてみて下さい。

 

本日も最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。

また、次回もお付き合い下さいませ。