チェスター・コパーポットの逆襲

映画、本、ざれごと、好きな事を好きなだけ。

徳一のパンセ 京極夏彦著「オジいサン」を読んで

こんにちは。ショウタロウです。

 

とある小説家が

「日本の映画界から老人が消えた・・・」

と嘆いておられました。

 

その小説家曰く

「たま~に、老人が出ていても、その老人

ちっとも老人老人してなくて

若々しく、ちょい悪で、昨今の若者なんかよりずっとお盛んで

おネェチャンと恋をしたりする・・・

違うんだよなぁ。

もっと老人てのは、若者のライフスタイルなんかには

目もくれず、そこにある季節の移ろいを愛でて

隠居とかしてんだよ。別にそれが、寂しい老後とか

じゃなくてさぁ・・・あぁ老人

 

あぁそう言われてみればそうかも知れません。

最近のベテランの役どころはみんな若々しいかも。

もしくは、極端に、孤独な老人・・・無縁社会・・・なんて

寂しい設定が多い気がします。

それが、人生100年時代の銀幕スターって事でしょうか?

 

でも、今回は、そんな老人マニアもうなる

老人オブ老人が主人公の小説をご紹介。

 

「オジいサン」

京極夏彦 中央公論新社

f:id:kikuchiyokun:20191120103858j:plain

 

www.chuko.co.jp

 ざっとストーリーを

 

オジいサンが、公園を散歩して、もの思う。

オジいサンが、馴染みの電気屋に文句を言って、もの思う。

オジいサンが、スーパーでウインナーを買うか迷い、もの思う。

オジいサンが・・・。

 

もの思うオジいサンのゆるくて深い日常。


感想。

 

いいです。哲学するじじい。

オトナシいじじいもほんとのところ

何を考えている解りません。


そりゃそうだ。
じじいは

大人も随分やってきてじじいになったんですもの。

 

じじいは、思いの塊です。

思いを込めた言葉が、泉のように湧いてきます。

でも本作のじじいは、溢れ出す言葉を口には出しません。

こんなじじいになれるかな?
いやなりたいかな?
感慨深い作品です。

 

映像化は残念ですが、今のところされていません。
僕は、山崎努主演で映像化希望です。
バッチリだと思います。

 

是非、皆様も

「不思議な事など何もないおじいさんの日常」

を覗いてみて下さい。


本日も最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。

また次回もお付き合い下さいませ。